計測点以外の量「状態」を推定!オブザーバとカルマン・フィルタ
ラズパイとPythonで一緒に!状態制御&センサ・フュージョン入門
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| 状態推定は信号処理と制御の2つの目的に必要であり,ノイズ除去や未知の物理量の算出,システムの内部状態の把握に役立つ技術である 〈著:南 裕樹〉 |
| 【出典】:[VOD/Full KIT/data]ラズパイとPythonで一緒に! カルマン・フィルタ&センサ・フュージョン入門 |
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状態推定の必要性と目的
計測点以外の物理量や内部状態を推定する技術は,制御や信号処理の分野で重要な役割を果たしています.状態推定とは,直接計測できないシステムの内部状態を計算により求めることを指します.たとえば,位置や角度の情報から速度を推定したい場合や,ノイズの多い信号から有用な情報を抽出したい場合に用いられます.こうした推定は,単なる信号処理の一環としても利用され,ロー・パス・フィルタや微分演算などの技術と組み合わせられることもあります.
状態推定は信号処理だけでなく,制御の現場でも欠かせません.制御システムでは,システムのふるまいを望ましい方向に導くため,内部状態の情報を得る必要があります.しかし,すべての状態を直接観測できるわけではありません.そのため,オブザーバやカルマン・フィルタといった推定技術が活用され,実際の制御に必要な状態を推定します.これにより,状態フィードバック制御の実現が可能になります.
オブザーバとカルマン・フィルタの役割
オブザーバは,システムの入力と出力から内部状態を推定するための数学的手法です.これにより,計測できない状態を補完し,制御に必要な情報を提供します.オブザーバは比較的シンプルな構造のものから複雑なものまで存在しますが,基本的にはシステム・モデルに基づいて動作します.
カルマン・フィルタは,状態推定の中でも特にノイズの多い環境下で高精度な推定を可能にする確率的推定手法です.システムの状態と観測データの不確実性を考慮し,最適な推定値を逐次的に更新していきます.これにより,現実の計測データに含まれるノイズや誤差を効果的に除去し,信頼性の高い状態推定が実現します.
ラズパイとPythonでの実装入門
近年,ラズベリー・パイなどの小型コンピュータとPythonを用いた状態推定の学習が盛んです.Pythonは豊富なライブラリをもち,カルマン・フィルタやオブザーバのアルゴリズムを手軽に実装できます.ラズベリー・パイは実際のセンサ・データを取得し,リアルタイムで処理する環境として適しています.
この組み合わせにより,センサ・フュージョンや状態制御の基礎を体験的に学べます.複数のセンサ・データを統合し,より正確な状態推定を行うことで,ロボット制御や自動運転技術などの応用も視野に入ります.実際のシステムに近い環境での実験が可能なため,理論と実践の両面から理解を深めることができます.
〈著:ZEPマガジン〉参考文献
- [VOD]Pythonで一緒に!ロボット制御のモデルベース設計【ロバスト制御編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]Pythonで一緒に!ロボット制御のモデルベース設計【PID制御編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]Pythonで一緒に!ロボット制御のモデルベース設計【状態フィードバック制御編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/Pi2W KIT]ラズパイ×Pythonで動かして学ぶモータ制御入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/Pi KIT]MATLAB/Simulink×ラズパイで学ぶロボット制御入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/Pi400 KIT]SLAMロボット&ラズパイ付き!ROSプログラミング超入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT]確率・統計処理&真値推定!自動運転時代のカルマン・フィルタ入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT/data]M5Stamp Flyで学ぶ ドローン制御プログラミング入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
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