基板が薄いならパスコンは位置より量を重視せよ
プリント基板EMC Q&A
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| 電源面とグラウンド面の間隔が狭い基板では,デカップリング・キャパシタは位置を気にせず配置しても効果的であり,全体的にグローバルに働くため,特定の位置は重要ではない 〈著:櫻井 秋久〉 |
| 【出典】:[Book/PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200 |
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プリント基板におけるデカップリング・キャパシタの役割と配置の基本
プリント基板の設計において,デカップリング・キャパシタは電源の安定化やノイズ抑制に重要な役割を果たします.特に電源層とグラウンド層の間隔が狭い場合,キャパシタの配置方法について理解しておくことが求められます.電源層とグラウンド層の間隔が0.3mm未満のような薄い基板では,キャパシタは個別のデバイスに局所的に作用するのではなく,基板全体の電源層に対してグローバルに影響を与えます.このため,特定の能動素子近くに配置することよりも,基板全体に十分な容量を確保することが重要です.
このような基板構造ではキャパシタの位置を厳密に決める必要はありません.キャパシタが電源層とグラウンド層の間に形成する静電容量が大きく,瞬間的な電流供給能力が高いため,基板全体の電源安定に寄与します.むしろ,能動素子の電源端子とビアを共有してキャパシタを配置すると,接続インダクタンスが増加してしまい,望ましい効果が得られにくくなります.したがって,ビアを共有する配置は避けるべきです.
基板厚みとデカップリング・キャパシタの配置戦略の違い
電源層とグラウンド層の間隔が広い基板の場合,キャパシタはローカルに作用しやすくなります.この状況では,能動素子の近傍に局所的にキャパシタを配置することが効果的です.キャパシタの位置が回路性能に大きく影響するため,配線長やインダクタンスを最小化することが重要になります.
一方,薄い基板では電源層とグラウンド層間の静電容量が大きいため,キャパシタの効果が基板全体におよびます.したがって,薄い基板ではキャパシタの配置位置を厳密に気にせず,基板全体に均等に配置し,十分な容量を確保することが望ましいです.電源層から最大電流を引き出すデバイス周辺には特に多めにキャパシタを配置すると効果的です.
実務上のポイントと注意点
キャパシタを能動素子の電源端子やビアと共有して配置することは避けるべきです.共有すると接続インダクタンスが増加し,デカップリング効果が低下します.薄い基板であれば,キャパシタの配置位置に過度に神経質になる必要はありません.むしろ,基板全体に十分なキャパシタ容量を確保することがノイズ低減や電源安定化に寄与します.
電源層とグラウンド層の間隔が広い場合は局所的な配置を検討してください.配置の最適化には配線長やインダクタンスの最小化が重要になるため,設計段階で慎重に検討する必要があります.基板設計の際には,これらのポイントを踏まえてデカップリング・キャパシタの数と配置を決定することが求められます.
- 薄い基板ではキャパシタの位置よりも量を優先して配置する
- 能動素子とビアの共有はインダクタンス増加のため避ける
- 基板厚みに応じてグローバルまたはローカルな配置戦略を使いわける
参考文献
- [PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT]ポケット・スペアナで手軽に!基板と回路のEMCノイズ対策 10の定石,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]Gbps超 高速伝送基板の設計ノウハウ&評価技術,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT]3GHzネットアナ付き!RF回路シミュレーション&設計・測定入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT]3GHzネットアナ付き!初めてのIoT向け基板アンテナ設計,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]Pythonで学ぶ マクスウェル方程式 【電場編】+【磁場編】,ZEPエンジニアリング株式会社.


























































