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2026年02月11日号

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Gbps伝送には低tanδ材

計測のためのA-Dコンバータ実装術

高速データ信号伝送には,低比誘電率と低誘電正接をもつ基板材質が重要であり,FR4やPPE,セラミックなどが一般的な選択肢である 〈著:藤森 弘己
【出典】:[VOD]高速&エラーレス!5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点
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Gbps伝送に適した基板材質の特性

高速データ伝送,特にギガビット毎秒(Gbps)レベルの信号を扱う際には,基板材質の選定が非常に重要になります.信号の品質を保つためには,主に2つの特性に注目します.1つは基板の比誘電率(εr)が低いことです.比誘電率が低いと信号の伝播速度が速くなり,タイミング調整が容易になります.もう1つは誘電正接(tanδ)が小さいことです.誘電正接が小さい基板は信号損失が少なく,伝送品質が向上します.

一般的に使用される基板材質にはFR4,PPE(ポリフェニンエーテル樹脂),セラミック,セラミック・フィラー樹脂,PTFE(ポリ・テトラ・フルオロ・エチレン)などがあります.これらの中で,FR4はコストが低く加工性に優れていますが,比誘電率が高めで損失も大きくなりやすいです.PPEは加工性が良好で低比誘電率,低誘電正接をもち耐熱性もあります.セラミックは耐熱性と絶縁性が高く,低比誘電率と低誘電正接を兼ね備えていますが加工は難しいです.セラミック・フィラー樹脂は加工性がよく,低損失で高絶縁性が得られます.PTFEは高周波特性に優れており,耐熱性と絶縁性も高いですがコストが高い特徴があります.

A-Dコンバータ実装における基板選択のポイント

高速A-Dコンバータを実装する場合,基板の材質選択が性能に直結します.高速データ信号の伝送品質を維持するため,信号経路の損失を抑えつつ伝播速度を確保しなければなりません.比誘電率が低い材質を選ぶと信号遅延が少なくなり,タイミングのずれを減らせます.誘電正接が小さい材質は信号減衰を抑制し,信号対雑音比の向上に寄与します.

実際の設計では,コストと性能のバランスを考慮しつつ,用途に応じて材質を選択します.高精度なアナログ回路や高周波回路ではPTFEやセラミック系の基板を用いることが多いです.これらは高周波特性がよく,安定した伝送が可能です.一般的なディジタル回路や低コストを重視する場合はFR4やPPEが選択されます.特にPPEは低誘電正接でありながら加工性もよいため,性能と製造性の両面で優れています.

基板材質の比較一覧

  1. FR4:安価で加工性良.比誘電率は4以上でGHz帯域も利用可能
  2. PPE:低比誘電率,低誘電正接で耐熱性良.テフロンに近い特性
  3. セラミック:耐熱性高く,低比誘電率と低誘電正接.加工は難しい
  4. セラミック・フィラー樹脂(ロジャース基板):低損失で加工性良.高絶縁性
  5. PTFE(テフロンTM):高周波特性優秀,高絶縁,耐熱性高いがコスト高
〈著:ZEPマガジン〉

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参考文献

  1. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【差動信号とその周辺回路設計技術】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【A-D/D-Aコンバータの使い方】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD]高精度アナログ計測回路&基板設計ノウハウ,ZEPエンジニアリング株式会社.
  5. [VOD]Gbps超 高速伝送基板の設計ノウハウ&評価技術,ZEPエンジニアリング株式会社.
  6. [VOD/KIT]GPSクロック・ジッタ・クリーナ,ZEPエンジニアリング株式会社.
  7. [Book]電子回路とプリント基板のノイズ解決 即答200,ZEPエンジニアリング株式会社.


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