10月10日 LIVE受講 / 10月11日~10月13日 録画受講
[Webinar/Pi KIT/data]ラズパイとPythonで一緒に!
カルマン・フィルタ&センサ・フュージョン入門

位置/故障/姿勢まで,センサで測れない物理量も正しく推定&制御


お申込み

下記スケジュール表のボタンを押すと,セミナの購入ページに移動しますので,支払い手続きを行ってください.

開催日 内容 ラズパイ4 モーション・
センサ類
講義資料 録画受講 価格 申し込み
10/10(金)
10:00~17:00
コースA:
フルキット実習
35,200円
コースB:
セミキット実習
× 25,300円

ご購入前にご理解いただきたいこと

  1. 「コースA:フルキット実習」には,Raspberry Pi 4 Model B 2GB,6軸IMUモジュール,ロータリ・エンコーダなどを含むすべての部材が付属します.
  2. Raspberry Pi 4 Model B 2GB以上をお持ちの方,または準備可能な方は,「コースB:セミキット実習」がおすすめです(後述の3~6の部材が付属します)
  3. 本セミナに申し込んだ方は,見逃し配信による受講も可能です.
  4. 実習キットは講演の10日前までに,講義テキストは講演の3日前までにメールにて送付予定です.
  5. 講義テキスト,ソースコード類は1人1ライセンスとなります.
  6. セミナの映像,画像,文書テキスト,ソースコードは,著作権法により厳格に保護されています.無許可の転載,複製,転用は禁止されており,法律により罰せられる場合があります.

本セミナで配布する実習キット

  1. Raspberry Pi 4 Model B 2GB
  2. USBケーブル&ヒートシンク
  3. 実習環境書き込み済みマイクロSDカード
  4. MPU-6050搭載 6軸IMUモジュール(ジャイロ+加速度センサ)
  5. ロータリ・エンコーダ・モジュール(Modulino Knob)
  6. メス-メス・ジャンパ
写真1 理論だけでなく,Pythonと実習キットを動かしながら制御系の状態推定やカルマン・フィルタを実体験できる

学ぶこと

あらまし

制御工学は,モノの動きをデザインする科学です.対象となるシステムの動特性を把握し,それに基づいて制御器を設計することで,望ましい動作を実現します.なかでも,制御システムの設計や運用においては,システム内部の状態を的確に把握することが極めて重要です.

しかし実際には,すべての状態量をセンサで直接観測することは難しく,多くの場面で,限られた入出力データから内部状態を推定する技術が必要とされます.本セミナでは,こうした状態推定問題とその解法のひとつであるカルマン・フィルタの基礎を,Raspberry Piとセンサを用いた実習キットを併用しながら学びます.

まず,状態推定問題の基本的な考え方と,差分近似を用いた簡易的な推定手法について解説します.つぎに,同一次元オブザーバや外乱オブザーバ,定常カルマン・フィルタ(最適オブザーバ)の学習を通して,状態推定の勘所を学びます.

最後に,実応用上よく用いられる離散時間のカルマン・フィルタに焦点を当て,そのアルゴリズムと応用例,さらに,背後にある設計論について解説します.

セミナ名 制御・設計対象 特徴 適用分野 推奨受講者
実習編 直流モータの角度制御 Raspberry Piでモータ制御を学び,制御工学の基礎から応用までを網羅.Pythonで実装・検証が可能 教育用途,組込み制御,メイカーズ向けロボット開発,IoTデバイス ハンズオンで制御基礎を習得したい初心者/中級者
モノづくりを伴う学習をしたい方.教育関係者
状態フィードバック制御編 状態空間モデルの線形システム 極配置法・最適レギュレータ・サーボ系設計を体系的に学び,Pythonで制御設計を体験 多関節ロボットアーム,航空機・ドローン,自動運転,医療機器,化学プラント,電力マネージメント・システム 状態方程式ベースの制御設計に関心がある制御初心者
実務で最適制御を扱う技術者
PID制御編 伝達関数モデルの線形システム PIDの基本からゲイン・チューニング法,2自由度制御までをPythonで学び,制御設計も体験 工場設備,搬送装置,自律移動車,流量制御,温度制御,プロセス制御 伝達関数ベースの制御設計に関心がある制御初心者
実務でPID制御を扱う技術者
ロバスト制御編 モデル不確かさを含む線形システム 不確かさのモデル化からH∞ノルム,スモール・ゲイン定理,ループ整形による制御設計までを学ぶ 使用環境や特性が変化するシステムの制御
屋外ロボット,複雑システム,宇宙機の制御
モデル誤差や外乱に強いシステム設計をしたい実務者・応用研究者
状態推定編 観測不可能な内部状態を持つ動的システム オブザーバ,カルマン・フィルタなどの状態推定手法を体系的に学ぶ 自己位置推定,障害診断,状態監視システム,センサ・フュージョン センシング・推定技術に関心のある方
状態量を可視化して制御に活かしたい方

表1『Pythonで一緒に!ロボット制御のモデルベース設計』シリーズで学べる内容と対象分野.今回は上記表の「状態推定編」に該当する内容を実施する

図2 同一次元オブザーバの構成と誤差ダイナミクス 図3 Pythonを用いたカルマン・フィルタ設計の一例と,そのシミュレーション結果

アジェンダ

(1)制御系設計の流れと勘所

(2)実習キットを用いた状態推定実験

  • RaspberryPiの説明
  • Pythonコードの書き方(ハードウェア制御含む)
  • オブザーバのデモ
  • カルマン・フィルタのデモ

(3)制御工学クイック復習

  • 設計モデル(伝達関数・状態方程式)
  • 周波数特性
  • システムの離散化
  • 正規分布,最小二乗推定

(4)状態推定問題

  • 状態推定の必要性
  • 差分近似による状態推定
  • 可観測性
  • 出力の有限時間観測データによる状態推定

(5)オブザーバ

  • 同一次元オブザーバ
  • オブザーバ併合レギュレータ
  • 外乱モデルに基づく外乱推定
  • Pythonでオブザーバを設計

(6)最適オブザーバ

  • 定常カルマン・フィルタ
  • H∞フィルタ
  • Pythonで定常カルマン・フィルタを設計

(7)離散時間カルマン・フィルタの考え方と実装

  • カルマン・フィルタの考え方
  • 線形カルマン・フィルタのアルゴリズム
  • センサ・フュージョン(相補フィルタ)
  • Pythonでカルマン・フィルタを実装

(8)離散時間カルマン・フィルタの数理的理解

  • ベイズ推定
  • 線形カルマン・フィルタの導出
  • カルマン・フィルタの拡張

受講対象

  • 制御のための状態推定について知りたい方
  • カルマン・フィルタの基礎を学びたい方
  • RaspberryPiで状態推定の実験をしてみたい方
  • Pythonで時系列データ処理や状態推定を体験したい方

あると望ましい予備知識

  • 力学や電気回路の基礎(オームの法則を知っている)
  • 複素関数の基礎(複素数の演算ができる)
  • プログラミングの基礎(数行のコードを書いて実行したことがある)
  • 制御工学の基礎(伝達関数や状態方程式を知っている,または【PID制御編】【状態フィードバック制御編】【ロバスト制御編】を受講している)

講演の目標

  • 制御系設計(動きのデザイン)の基本的な方法を説明できる
  • 状態を推定する方法を説明できる
  • カルマン・フィルタのアルゴリズムを説明できる
  • 簡単なPythonプログラムを作成できる

受講者が事前に準備するもの

  • 筆記用具と計算用紙(ノート)
    ※適宜演習の時間を設けます

今後のセミナ予定

  1. Pythonで初めてのモデルベース制御系設計【ディジタル制御編】

講師紹介

略歴

2009年3月京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了. 日本学術振興会特別研究員(DC2),舞鶴工業高等専門学校助教,京都大学特定助教, 奈良先端科学技術大学院大学助教,大阪大学准教授などを経て, 2025年4月より兵庫県立大学大学院工学研究科電気電子工学専攻教授. 博士(情報学).一般社団法人みんなの制御塾代表理事.

関連製品

主な著書

  1. Pythonによる制御工学入門改訂2版,オーム社 (2024)
  2. 制御系設計論,コロナ社 (2021)
  3. やさしくわかるシーケンス制御,オーム社(2020)
  4. Pythonによる制御工学入門,オーム社 (2019)
  5. 倒立振子で学ぶ 制御工学,森北出版 (2017)
  6. Arduino×Pythonで動かしながら学ぶモータ制御入門,トランジスタ技術2020年9月号

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