電流連続と不連続:スイッチング損失との関係
トランス製作実習:フライバック電源設計 超入門
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| 図 DCMモードはスイッチング損失がなく,効率的である.CCMモードは電流制限があり,負荷増加時に電圧が下がる特徴がある 〈著:並木 精司〉 |
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電流連続モード(CCM)と不連続モード(DCM)の基本概念
電源回路における電流の流れ方は大きく分けて連続モード(CCM)と不連続モード(DCM)に分類されます.CCMはスイッチング素子のオン期間中に電流が途切れずに流れ続ける状態を指します.一方,DCMは電流が一度ゼロに達し,次のスイッチング周期まで流れない状態です.これらのモードはフライバック電源設計において重要な役割を果たします.
DCMではスイッチング素子の電流がゼロから始まるため,スイッチング時に電流が存在しない瞬間があります.これにより,スイッチング損失が大幅に低減されます.具体的には,スイッチング素子のON/OFF切り替え時に電圧と電流が同時に流れる時間が短くなるため,損失が少なくなります.ただし,DCMではスイッチング素子のオフ時の電圧が必ずしもゼロになるわけではなく,完全なゼロ・ボルト・スイッチングとは異なります.
スイッチング損失とモードの関係
CCMではスイッチング素子のオン期間中にすでに電流が流れているため,電圧と電流が重なる時間が存在します.この重なりによりスイッチング損失が発生します.特にオンからオフへの切り替え時に損失が増加し,ノイズの発生も見られやすくなります.これがCCMの欠点の1つです.
一方,DCMはスイッチング損失を抑えることができるため,低負荷時や軽負荷運転に適しています.しかし,負荷が増加すると電流のピークが抑えられ,最大出力に制限がかかる傾向があります.これはIC内部の電流制限機能や回路設計のボリューム設定によるものです.
モード選択と負荷特性の関係
負荷が増加すると,電源回路はDCMからCCMへと動作モードを移行します.CCMに入ると電流が連続的に流れるため,より高い出力電力が得られます.ただし,スイッチング損失やノイズの増加が避けられません.負荷がさらに増えてもICの電流制限機能により最大出力が制限され,電圧が低下する状況になります.
このため,フライバック電源設計では負荷条件や効率を考慮し,適切なモードで動作させることが重要です.低負荷ではDCMを利用し損失を抑え,高負荷ではCCMに切り替えて安定した出力を維持することが一般的です.
- DCMはスイッチング損失が少なく低負荷運転に適している
- CCMは連続的な電流流れにより高出力が可能だが損失とノイズが増加する
- 負荷増加に伴いモードが切り替わり,ICの電流制限が最大出力を規定する
参考文献
- [Onsite/KIT/data]トランス製作実習!スイッチング電源回路設計&シミュレーション,ZEPエンジニアリング株式会社.
- 5V入力/3~28V可変/3W:プロトタイピング用ミニ電源モジュールの製作,ZEPエンジニアリング株式会社.
- 低雑音&高効率!LLC絶縁トランスの定数設計法,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT/data]実験キットで学ぶ 電源・アナログ回路入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]事例に学ぶ放熱基板パターン設計 成功への要点,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]小型&高出力!高効率電源設計のためのSiC/GaNトランジスタ活用 100の要点,ZEPエンジニアリング株式会社.
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