スピードマスタ・シリーズ
プロの技術を1日で!VOD製品
[VOD/data]GPU/CPU/量子コンピュータによるサイバーセキュリティ実践プログラミング
車載CANのプロトコル解析から,AIカメラ開発,量子暗号技術まで
- 型名:z-cybersecurity-on1
- 仕様:講義216分,解説176頁,ソースコード
- 通常価格:9,900円(税込)
- 期間限定特別価格:3,300円(税込)[2025年11月30日まで]
- 著者・講師:山田 浩之(Y-Logic) / 井上 博之(京都産業大学)/ 樋田 啓(NTT物性科学基礎研究所)/ 赤間 洋祐
- 企画編集・制作: ZEPエンジニアリング
- 本製品は,1人当たり1ライセンスです
本製品のあらまし
自動車、宇宙、AIサーバなど、あらゆる分野で情報セキュリティの脅威が急速に多様化・高度化しています.攻撃対象はソフトウェアだけでなく,ハードウェア,通信プロトコル,AIアルゴリズム,さらには量子通信技術にまで広がりつつあります.
本セミナでは,エッジAI開発,車載CANのプロトコル解析,量子暗号技術,並列プログラミングまで,ハイパフォーマンスCPUと最新アルゴリズムによる防御技術を解説します.
本VODは,オンライン・セミナ「GPU/CPU/量子コンピュータによるサイバーセキュリティ実践プログラミング」の講義動画とテキストのセット商品です.製品購入後に送信される案内メールに,講義動画の視聴と講義テキストのダウンロードが可能になるパスワードが記載されています.
本製品のすべての映像,画像,文書テキストは著作権法によって厳格に守られています.無許可の転載,複製,転用は法律により罰せられます.
【セッション1】
600GOPS NPU搭載ハイエンド・マイコン“STM32N6”で始めるエッジAIカメラ開発
TrustZone対応Cortex-M55で学ぶ セキュア・ファームウェア設計の基礎
- 講師: 山田 浩之(Y-Logic)
講演内容最近,エッジAI向けのマイコンとして,STマイクロエレクトロニクスから NPU (Neural Processing Unit) 搭載マイコンSTM32N6シリーズが発表されました。 独自のNPUにより,従来のCortex-M7マイコンと比較して600倍以上のAI演算性能が達成できます. STM32N6シリーズではArm TrustZone対応のCortex-M55コアを採用しており,従来のSTM32シリーズと比較してセキュリティ面で複雑になっています. セキュアなファームウェア実行のしくみを理解していないと,「Lチカ」の実装すら遠く感じられるかもしれません. 前半では,Cortex-M55マイコン開発に必要となる,セキュアブート,コード改ざん防止,ブートローダの運用について,具体的な開発ツールの操作を通して解説していきます. 後半では,STM32N657の開発ボードにカメラを接続して,マイコン内蔵NPUを使用して物体認識を行うファームウェアを作成する方法について解説します.〈山田 浩之〉 キーワード解説Arm TrustZoneArmが開発したセキュリティ技術で,プロセッサ内部を「セキュア(安全)」と「ノンセキュア(通常)」の2つの実行環境にハードウェア・レベルで分離する.重要な処理や機密データはセキュア領域で保護され,通常のアプリからの不正アクセスを防止する.スマートフォンの決済・認証機能,組み込み機器の暗号通信,IoTデバイスのゼロトラスト化など,セキュリティが要求される場面で幅広く使われており,今後の組み込み開発における重要な前提技術の一つとなっている.
NPU(Neural Processing Unit)ニューラル・ネットワークによるAI推論処理を専門に担当するハードウェア・アクセラレータ.畳み込み演算や活性化関数,行列乗算といった処理を効率よく並列実行するよう最適化されており,CPUやGPUよりもはるかに低消費電力かつ高速にAI推論を実現できる. 最近では,マイコンやSoCにも組み込まれ,物体認識や音声認識,異常検知といったエッジAI用途に利用される.〈ZEPエンジニアリング〉 受講対象
講師紹介
主な著書
|
【セッション2】
車載CANプロトコルのゼロ知識解析と実車への適用
車両の通信挙動を解析!FPGAを活用したバスオフ攻撃で完全なりすましを実現
- 講師:井上 博之(京都産業大学)
講演内容2013年頃から外部ネットワークとつながる自動車,いわゆるコネクティッド・カーの情報セキュリティを分析するためのプラットフォームを作成し,実際の自動車に搭載することで車載LAN上でのなりすましやDoS(Denial of Service)攻撃が可能であることを確認し,その防御手法について研究を行っています. 本セミナでは,ADAS(Advanced Driver Assistance Systems)機能を備えた車両の車載LAN(CAN)のプロトコルをゼロからブラックボックス解析を行い,CANメッセージの意味を解明し,それをもとにした攻撃シナリオの策定を行った結果について解説します. さらに,CANのバスオフ攻撃を利用した特定のECUに対する攻撃用プロトタイプ装置をFPGAを用いて作成し,解析したCANの通信プロトコルやメッセージの内容をもとに,車両のアクセル・ブレーキ・ハンドルを完全なりすましで制御したり,遠隔からタブレットで制御するようなデモを動画で紹介します. 車載システムのセキュリティ対策がますます重要になっている中で,自動車は移動体IoTデバイスの1つとして非常に複雑なシステムとなっています.その理解や設計のためにはソフトウェア,OS,ネットワーク,クラウドなどの要素技術を身につけることも求められています. 近年の自動車アーキテクチャの大きな変化と人材教育について触れ,大学の研究室で作成したCANプロトコルの初学者向けトレーニング.プラットフォームの開発と,それを使った解析・なりすましなどの実習についてもご紹介します.〈井上 博之〉 キーワード解説DoS(Denial of Service)攻撃サービス拒否攻撃とも呼ばれ,ターゲットとなるシステムやネットワークに対して大量の通信や不正な要求を送りつけることで,正常な利用者によるアクセスを妨害する攻撃手法.処理能力や帯域を圧迫し,サーバや機器の応答停止,システム・ダウンを引き起こす.組み込み機器や車載ネットワークにおいては,プロトコルの仕様や制御装のエラー・ハンドリングを悪用して,機能の停止や通信不能状態に追い込む形のDoS攻撃も存在する. バスオフ攻撃CAN通信において,特定の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に故意に通信エラーを引き起こすことで,CAN規格で定められた「バスオフ(Bus-Off)」状態に移行させ,通信から切断する攻撃手法.バスオフ状態のECUはCANバス上で送受信ができなくなり,制御機能が停止する.これはDoS攻撃の一種であり,車両の安全性や信頼性に深刻な影響を与える可能性がある.CANの脆弱性とエラー・ハンドリング仕様を悪用することで実現される.〈ZEPエンジニアリング〉 受講対象
講師紹介略歴
主な著書
|
【セッション3】
量子技術が変革するサイバーセキュリティ
量子論の基礎から量子鍵配送プロトコルBB84まで
- 講師:樋田 啓(NTT物性科学基礎研究所)
講演内容近年,量子技術の社会実装が進展しており,特に,量子計算・量子通信・量子計測の3分野における応用が,学術界のみならず産業界からも注目を集めています.これにより,サイバーセキュリティのパラダイムが根本から変革される可能性があります. 量子計算機は,従来の古典計算機では困難な因数分解を高速で行うShorのアルゴリズムを実行可能であり,現代のインターネット・セキュリティの根幹を支えるRSA暗号を解読する潜在的な脅威となり得ます. 一方で量子通信は,量子力学の原理に基づき情報理論的に安全な通信を実現できるため,次世代のセキュリティ技術として期待されており,特に,将来の量子計算機時代における通信技術として注目されています. 本セミナでは,まず量子情報処理に適した形で量子論の基礎を公理論的アプローチにより体系的に整理・解説します. さらに,1984年にBennettとBrassardによって提案された量子通信の基本技術である量子鍵配送プロトコルBB84について解説します.〈樋田 啓〉 キーワード解説RSA暗号Ron Rivest,Adi Shamir,Leonard Adlemanの3人によって開発された,最も広く使われている公開鍵暗号方式の一つ.2つの大きな素数の積からなる数値(n)を基に「公開鍵」と「秘密鍵」を作成し,公開鍵で暗号化,秘密鍵で復号を行うという非対称暗号方式である. 安全性の根拠は,「大きな整数の素因数分解が困難である」という数学的前提に基づいている.電子メールの暗号化,デジタル署名,電子証明書など多くのセキュリティ技術に用いられている.ただし,Shorのアルゴリズムにより,量子コンピュータによって将来的に解読されるリスクがあるとされており,現在は耐量子暗号の研究も進んでいる. 量子鍵配送プロトコルBB841984年にCharles BennettとGilles Brassardによって提案された,世界初の量子鍵配送プロトコル.BB84という名称は,提案者の頭文字と発表年に由来する.通信の安全性は,量子力学の原理(重ね合わせ・測定による波動関数の崩壊)に基づいて保証される.特に,盗聴が行われた場合はその痕跡が必ず残るという特徴がある.送信者(Alice)が光子の偏光状態でランダムなビット列を送り,受信者(Bob)が異なる基底で測定後,基底が一致したビットのみを鍵として抽出する.BB84は,量子コンピュータ時代に向けた「量子通信」分野の重要技術として注目されており,ポスト量子暗号とは異なるアプローチでセキュリティを提供する.〈ZEPエンジニアリング〉 受講対象
講師紹介略歴
主な著書
|
【特別セッション】
ハイパフォーマンスGPUによる並列プログラミング入門
重力多体問題をベースに銀河をシミュレーションし,アニメーション化
- 講師:赤間 洋祐
講演内容近年,ディープラーニングをはじめとする機械学習技術の急速な発展により,GPU(Graphics Processing Unit)は単なるグラフィックス処理から汎用計算プラットフォームへと進化し,クラウドやローカル環境で手軽に利用できるようになりました.本セッションでは,GPU並列計算の重要性を理解し,実際にPython+Numba CUDAを用いて大規模シミュレーションを高速化する手法を学びます. まず,CPUとGPUのアーキテクチャの違いについて触れます.次にCUDAプログラミング・モデル(スレッド・ブロック・グリッド)を紹介し,Pythonでのカーネル定義やデバイス・メモリへのデータ転送,同期のしくみを実践的に学びます. 演習では,古典的な重力N体問題を題材に,純Python実装→NumPyベクトル化→Numba JIT→CUDAカーネルへと段階的に並列化を進め,性能向上を体感します.Google Colab上でGPUランタイムを設定し,103~105粒子規模のベンチマークを行うことで,CPUとGPUの実行時間やスケーラビリティの違いを比較します. 受講対象
講師紹介(略歴,主な著書)
|
紹介動画
STM32N6マイコンのセキュリティ機能を理解する
実車実験!車載CANへのなりすまし攻撃
量子鍵配送プロトコルBB84の概要
本製品を購入された方へ 「講義動画とテキストの視聴方法」
下記リンク先(青字)をクリックして,本製品購入後にメールにてお知らせしたパスワードを入力してください.
講義動画(著作権保護のためパスワードがかけられています)
「GPU/CPU/量子コンピュータによるサイバーセキュリティ実践プログラミング」講義動画.mp4(3時間36分29秒)
- 00:00:10 【セッション1】600GOPS NPU搭載ハイエンド・マイコン“STM32N6”で始めるエッジAIカメラ開発
- 00:59:20 【セッション2】車載CANプロトコルのゼロ知識解析と実車への適用
- 01:55:39 【セッション3】量子技術が変革するサイバーセキュリティ
- 02:48:46 【特別セッション】ハイパフォーマンスGPUによる並列プログラミング入門