商品タイプで探す

Designers' Tips

2026年03月23日号

技術で探す

著者/講師で探す

Access:27

高確率fix!RTKLIBを使った後処理キネマティック解析

20km離れていても2周波測位で98%

図 基準点が遠くても高いfix率を維持できる.2周波測位なら20km離れていても98%の精度を誇る 〈著:樋田 啓
【PR:6月5日~12日,会場:u-blox 赤坂・東京,協賛 u-blox】:[Onsite/KIT/data]L6対応!最新u-blox X20P RTKキットで学ぶGNSSセンチメール測位
画像クリックで動画を見る.または記事を読む

RTKLIBによる後処理キネマティック解析の概要

RTKLIBはGNSS測位の後処理に利用されるオープン・ソース・ソフトウェアです.特にキネマティック解析において高い精度とfix率を実現します.後処理キネマティック解析では,移動体の軌跡を高精度に推定し,測位誤差の低減を図ります.解析結果では水平精度がおよそ2 cm,高度精度は6 cm程度が確認されています.初期化時間は約17秒で,解析中はfloat解とfix解を切り替えながら安定した測位を維持します.測位にはGPSとQZSSの衛星信号を利用し,仰角マスクは30度に設定しています.

周波数帯と基準点距離がfix率に与える影響

解析では1周波と2周波の測位方式を比較しました.基準点として国土地理院の電子基準点(蒲原)を中心に,最大約20 km離れた地点までの複数の場所で測位データを取得しています.基線長が2 km程度の近距離では,2周波測位でfix率が99.0%に達しました.20 km離れた地点でも98%前後の高いfix率を維持しています.これに対し1周波測位は距離が増すごとにfix率が大幅に低下し,20 km離れた地点では10%台から30%台にまで落ち込みました.

この結果から2周波測位は基準点から離れても高いfix率を維持できるため,広範囲での高精度測位に適しています.基準点との距離が増加しても,複数の周波数帯からの信号を利用することで多重パスや電離層誤差の影響を低減し,安定した整数fix解が得られます.

実用上の注意点と解析パラメータの検討

後処理キネマティック解析ではパラメータ設定が結果に大きく影響します.解析中に試行可能なパラメータには衛星の仰角マスク角度や使用する衛星の選択,周波数帯の設定などがあります.今回の解析では仰角30度に設定し,GPSおよびQZSS衛星を利用しました.基準点選択においては最寄りの電子基準点が理想的ですが,必ずしも近距離に基準点が存在しない場合もあります.そうした際でも2周波測位であれば高いfix率を維持できるため,基準点の距離に対する耐性が強いと言えます.

解析結果の信頼性向上には,適切な初期化時間の確保やfloat解とfix解の状態遷移の管理が重要です.特に初期化に要する時間は環境や受信機の性能に依存するため,十分な初期化時間を確保すると安定したfix解の取得が期待できます.RTKLIBを用いた後処理キネマティック解析は,こうしたパラメータ調整と基準点選択の工夫により,高精度なGNSS測位を実現しています.

〈著:ZEPマガジン〉

動画を見る,または記事を読む

参考文献

  1. [Onsite/KIT/data]L6対応!最新u-blox X20P RTKキットで学ぶGNSSセンチメール測位,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD/KIT] RTKポータブル・センチメートル測位キット,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD/KIT]SLAMロボット付き!ROSプログラミング超入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD/data]GPU/CPU/量子コンピュータによるサイバーセキュリティ実践プログラミング,ZEPエンジニアリング株式会社.

Translate »