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2026年03月12日号

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ビア打ちによる基板共振対策

初めての5G/6G無線機開発

図 グラウンド・プレーンの強心による影響を解析する方法を紹介する.基盤の仕上がりを確認するための新しい手法も提案されている 〈著:加藤 隆志
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ビア打ちによる基板共振の問題点

5Gや6Gの無線機開発において,基板のグラウンド・プレーンの共振が問題になります.グラウンド・プレーンが共振すると,電磁波のエネルギが不要に吸収され,基板の性能低下や信号の劣化につながります.共振の発生状況を詳細に把握するには電磁界解析が必要ですが,無料で利用できるSonnetLiteなどのツールを用いると解析できます.

解析結果では,ビアがない状態の基板は約4分の3波長に相当する共振が発生し,グラウンド・プレーンに強い電流密度が集中するようすが確認されます.これにより,エネルギが電源や信号線から吸い取られ,性能低下やノイズ増加の原因になります.共振を防ぐためには,基板上に一定間隔でビアを打つことが効果的です.一般的に,波長の1/10以下の間隔でビアを配置すると,共振を抑制しやすくなります.ビアを適切に配置した基板では,電流分布が均一になり,不要なエネルギの吸収を抑制可能です.

基板製造品質の検証方法と注意点

基板の共振対策としてビアを打つことは重要ですが,製造品質の検証も欠かせません.特に5G/6Gの高周波回路では,基板断面の構造やビアの位置精度が回路性能に大きく影響します.製造後の基板検査にはX線CTを用いた非破壊検査が有効です.X線CTでは基板を任意の断面で切断したかのように3D画像を生成でき,内部構造や銅の厚み,エッチングの状態を詳細に観察可能です.

検査により,銅箔の厚みムラや過剰なエッチングによる配線の細さ,ビアの位置ずれなどが判明します.特にビアの位置ずれは電磁特性に悪影響を及ぼすため,基板メーカの選定基準に含めるべき重要なポイントです.こうした検査結果を基に製造工程の改善やメーカの選定を行い,信頼性の高い基板製造を目指すことが求められます.

ビア打ちと基板共振対策のポイント

  1. 基板上の共振はグラウンド・プレーンの強心化が原因
  2. 波長の1/10以下の間隔でビアを配置して共振を抑制
  3. 電磁界解析ツールで電流分布を確認し対策効果を検証
  4. X線CTによる非破壊検査で基板内部構造の品質を評価
  5. ビア位置のずれや銅箔の状態を基板メーカ選定の判断材料に活用
〈著:ZEPマガジン〉

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参考文献

  1. Arm M4/M7/DSP×500MHz!STM32H7ハイスペック計測通信Module開発,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. 高感度受信!ソフトウェア無線機の心臓部“Root-Raised Cosine Filter”の設計,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD]MATLAB/Simulink×FPGAで作るUSBスペクトラム・アナライザ,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD/KIT]初めてのソフトウェア無線&信号処理プログラミング 基礎編/応用編,ZEPエンジニアリング株式会社.
  5. [VOD]Pythonで学ぶ マクスウェル方程式 【電場編】+【磁場編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  6. 実験しながら学ぶフーリエ解析とディジタル信号処理[Vol.1:フーリエ解析の基本「三角関数」の正しい理解]
  7. [VOD]Pythonで学ぶ やりなおし数学塾2【フーリエ解析】
  8. [VOD/KIT]STM32マイコン&Wi-Fiモジュールで学ぶ C/C++プログラミング入門,ZEPエンジニアリング株式会社.

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