USBマルチ測定器ADALM1000用測定アプリ ALICEのPCセットアップ


ダウンロード/インストールからUSB認識/起動まで

オシロからネットアナまで完備!ALICEの導入

図1 ALICEはADALM1000を操作するための専用GUIソフトウェア.波形表示,直流・交流の信号生成,I-V測定,データ記録などの機能を備える.画像クリックで動画を見る.または記事を読む.詳細はArm M4/M7/DSP×500MHz!STM32H7ハイスペック計測通信Module開発

ADALM1000は,Analog Devices社が教育目的で提供する小型のアクティブ・ラーニング・モジュールです.USB接続でPCと連携し,2チャネルの電圧源/電流源,オシロスコープ,関数発生器として機能します.電子回路の基礎実験やI-V特性測定を1台で行える点が特徴です.

ALICEとは

ALICE(Active Learning Interface for Circuits and Electronics)はADALM1000を操作するための専用GUIソフトウェアです.波形表示,直流・交流の信号生成,I-V測定,データ記録などの機能を備えており,実験結果を視覚的に確認できます.

ADALM1000用測定アプリ「ALICE」導入の前提

ADALM1000をPCで使うには,本体のUSB接続より前にソフトウェアとドライバを正しく導入する必要があります.本動画はダウンロードからインストール,USB認識,起動確認までの手順を実務的に解説します.使用環境はWindows 64ビットを想定していますが,配布ページの表記を確認して進めてください.

ダウンロードとファイル選定のポイント

公式配布pdfにあるリンクへアクセスしてダウンロードページへ移動します.表示されたリリース一覧から目的のファイルを選ぶ際は,デモやベータではなくフルリリースを選択してください.

  1. ALICE Desktop:ALICE Desktop 1.3x 64-bitセットアップ実行ファイル
  2. USBドライバ:libsmu 1.0.4 x64等のSMU用ドライバ

ダウンロード後はまずUSBドライバを先にインストールします.ドライバのインストールで管理者権限を求められたら許可して進めてください.

インストール手順(実操作の流れ)

インストーラーは画面の指示にしたがってデフォルト設定で問題ありません.ドライバ・インストールが完了したら次にALICE Desktopをインストールします.インストール中に「不明な発行元」警告が出た場合は詳細情報を開き実行を選んでインストールを続行してください.

  1. PCからADALM1000を外しておく:USB端子から外した状態で作業を開始する
  2. USBドライバをインストール:管理者許可を与えて完了させる
  3. ALICE Desktopをインストール:警告が出たら詳細→実行で進める
  4. インストール後にADALM1000を接続:USBに接続してデバイス認識を確認する

接続後にALICEを起動すると画面右上に接続表示が緑点灯し,装置側のLEDも緑点灯すれば正常認識です. 赤表示や認識されない場合はインストールを最初から再確認し,必要ならPCを再起動してから再試行してください.

運用上の注意点

複数のUSBポート環境ではUSBハブ経由ではなくPC本体のポートへ直接接続することを推奨します.ドライバとALICEのバージョンの組合せが合わないと認識不良が発生します.

また,64ビット版ALICEが正常に動作しないという報告があります.その場合は,32ビット・コンピュータ用のインストーラ libsmu-1.0.4-setup-x86.exeインストーラを試してみてください.

〈著:ZEPマガジン〉

動画を見る,または記事を読む

参考文献

  1. [VOD/KIT/data]実験キットで学ぶ 初歩の電子回路設計,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD/KIT/data]実験キットで学ぶ 電源・アナログ回路入門,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【A-D/D-Aコンバータの使い方】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【差動信号とその周辺回路設計技術】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  5. [VOD]高精度アナログ計測回路&基板設計ノウハウ,ZEPエンジニアリング株式会社.