[PR]トランジスタの増幅作用:キットで学ぶ電子回路設計
付属のPC制御USBテスタで電圧-電流特性を測定
トランジスタの増幅作用とI-V特性の理解
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図1 トランジスタのふるまいの理解は,電子回路設計の基礎を身につけるために重要.キット付きVOD「実験キットで学ぶ初歩の電子回路設計」の付属USBテスタでトランジスタを動かして,その基礎を身に付けませんか?画像クリックで動画を見る.または記事を読む.[講師]善養寺薫(ディスクリテック) 詳細:[VOD/KIT/data]実験キットで学ぶ初歩の電子回路設計 |
トランジスタは微小な入力信号を大きく変換する増幅デバイスです.電子回路設計においてもっとも基本的な部品の1つで,アナログ信号処理やディジタル回路の駆動に使われています.増幅を理解するためには,電圧と電流の関係を測定しながら動作点を把握することが有効です.PC制御USBテスタを使うと,電圧源と電流源を任意に設定してI-V特性を取得でき,動作の本質を直接確認できるでしょう.
ベース電流がコレクタ電流を制御する働き
NPNトランジスタでは,ベースに流す電流がコレクタ側の電流を制御します.電源を接続してもベース電流がゼロのときコレクタ電流はほぼ流れない状態です.ベース電流を少しずつ増加させていくとコレクタ電流が急速に増加し,入力電流と出力電流の間に大きな差が生じます.例えばベース電流がわずか0.2mAであってもコレクタ電流が60mAに達したりします.この電流比は電流増幅率と呼ばれ,データシートではhFEとして示されます.
このとき入力側で扱う電力は小さく,出力側は大きくなるため信号増幅が成立します.入力変化による出力の変化が大きいため,アナログ信号の増幅やディジタル信号の駆動に適した素子です.動作点を正確に把握することで飽和やカットオフといった状態を判断できます.
USBテスタを使った測定で得られる知見
電圧源と電流源を備えたUSBテスタは,以下の観点で役立ちます.
- ベース電流とコレクタ電流の関係を直接観察できる
- 電圧‐電流特性を可視化し動作領域を理解できる
- データシートに記載されるパラメータの意味を体感できる
測定結果をグラフで確認することで,入力と出力の関係が線形に変化しない区間があることも把握できます.特に入力の微小変動が出力に大きく影響する領域が増幅動作の鍵です.測定によって得た知識を回路設計に活かすことで,目的に応じたデバイス選択ができます.
電子回路設計に向けた一歩
トランジスタの増幅作用を実測しながら理解することは,電子回路設計の基礎を身につけるために重要です.データシートのグラフやhFEの値がどの動作で意味をもつのかが明確になります.さらに回路の入力側がマイコンやラズベリー・パイのI/O,出力側がリレーやLED駆動などになる場合,なぜトランジスタが必要かを自分の知識として説明できる力が身につきます.
〈著:ZEPマガジン〉参考文献
- [VOD]高速&エラーレス!5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD] Before After! ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [Book/PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD/KIT]ポケット・スペアナで手軽に!基板と回路のEMCノイズ対策 10の定石,ZEPエンジニアリング株式会社.
- [VOD]事例に学ぶ放熱基板パターン設計 成功への要点,ZEPエンジニアリング株式会社.