はんだ塗布用属型メタル・マスク・データ作成


KiCADで始めるプリント基板設計入門

はんだ塗布用版下「メタル・マスク」の役割と基本概念

図1 メタル・マスクとは,クリームはんだを基板上に正確に印刷するための,パッド形状の開口があるステンレス薄板.開口率やマスクオフセットがはんだ量と印刷品質に直結する.画像クリックで動画を見る.または記事を読む.[提供・著]善養寺 薫
詳細[VOD]動画で一緒にプリント基板開発KiCAD超入門【KiCAD 6対応完全マニュアル】

メタル・マスクはステンレスなどの薄板にパッド形状の開口を設け,クリームはんだを基板上に正確に印刷するためのツールです.開口率やマスク・オフセットがはんだ量と印刷品質に直結するため,ガーバ・データの出力時に正確な形状を指定することが重要です.設計段階ではフット・プリント寸法とパッド配置に基づいて口径を決めます.

KiCADでのガーバ・データ準備手順

KiCADからメタル・マスク用ガーバを出力する際は, はんだマスク・フェイスやパッドの縮小設定を確認します.出力設定でマスク開口を何パーセントにするか指定する項目があるため,通常は100%で出力し,実装業者側で調整してもらう運用が実務上効率的です.ファイル名は拡張子をわかりやすくしておくと管理が容易です.

  1. ガーバ出力設定:はんだマスク・フェイスをチェックする
  2. 出力レイヤ選択:表面はF.Paste,裏面はB.Pasteを選ぶ
  3. ファイル命名:拡張子を*.METALMASKや *.TOP_METALMASKにする

開口率と実装品質の関係

開口率はフット・プリント面積に対するマスク開口の割合です.メーカや実装業者が経験的にもつノウハウで指示がある場合はそれに従います.一般的には100%のサイズで出力しておき,実装業者側で90%などにリサイズして調整する流れが多いです.小さな部品や形状が複雑なパッドではスプラッタや橋留まりを防ぐために開口形状そのものを工夫します.

ガーバ出力時の注意点は,出力対象レイヤを正確に選ぶこととマスク縮小値を誤らないことです.製造側のソフトウェアで開口調整する余地があるため,基板設計側は元データをクリアに渡すことが品質確保への近道です.

〈著:ZEPマガジン〉

動画を見る,または記事を読む

参考文献

  1. [VOD]高速&エラーレス!5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD] Before After! ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [Book/PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD/KIT]ポケット・スペアナで手軽に!基板と回路のEMCノイズ対策 10の定石,ZEPエンジニアリング株式会社.
  5. [VOD]事例に学ぶ放熱基板パターン設計 成功への要点,ZEPエンジニアリング株式会社.