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Renesas FPB＋拡張モジュール＋AIプログラミングで爆速マイコン・システム開発


DigiKeyチャネル「10分で動かす！新世代マイコン・キット・チャレンジ

FPBと拡張モジュールによる段階的なシステム構築

図1　RL78ファミリのFPB（ルネサスエレクトロニクス）を使い，重力加速度の測定・表示・記録ができる「データ・ロガー」を製作．ArduinoシールドやPmod，Groveなどの汎用拡張モジュールを活用し，UART/I2C/SPIなどのシリアル通信規格の基礎や接続方法，デバッグの考え方も実践的に紹介する画像クリックで動画を見る．または記事を読む．DigiKeyチャネル

DigiKeyチャネル「10分で動かす！新世代マイコン・キット・チャレンジ」第2回で解説された，RL78ファミリのFPBを用いたデータ・ロガー開発の技術的要点を整理します．対象とするシステムは，重力加速度を測定し，演算結果を表示すると同時に，SDカードへ記録する構成です．

FPBはArduino互換端子やPmod，Groveといった複数の拡張インターフェースを備えています．この特徴により，センサ，表示デバイス，ストレージを組み合わせたシステムを，段階的に構築できます．開発工程を分割しながら進める点が，本回の重要な設計方針です．

シリアル通信規格と拡張インターフェースの役割

拡張モジュールとの接続では，UART，I$^2$C，SPIといったシリアル通信規格が使われます．これらはマイコン開発で頻繁に利用される基本要素です．FPBはこれらの通信をハードウェア・レベルでサポートしています．

Grove接続の3軸加速度センサはI$^2$C通信を用いて接続され， $x$軸，$y$軸，$z$軸の加速度データを一定周期で取得します． 取得したデータはマイコン内部で演算処理され， 重力加速度として扱います．

表示にはArduinoシールド形式のLCD Keypad Shieldを用います．マイコンとディスプレイ間はパラレル通信で接続され，測定結果をリアルタイムに確認できます．状態を即座に把握できる点は，デバッグ工程において重要な役割をもちます．

データ・ロガーとしての入出力構成

本システムは，入力，処理，出力の3要素に分解できます．構成を明確にすることで，開発対象を整理しやすくなります．

  1. 入力：3軸加速度センサによる重力加速度の取得
  2. 処理：マイコン内部での演算とデータ整形
  3. 出力：ディスプレイ表示とSDカードへの記録

SDカードへの記録はSPI通信を用いて行います．書き込み頻度を抑えるために，一定時間分のデータをバッファに蓄積してから記録します．この方式は処理負荷と記録媒体の寿命を考慮した設計です．

生成AIを活用した開発プロセス

本回では生成AIのChatGPTを用いたプログラム作成も紹介されています．マイコン開発では，ハードウェア構成や使用する開発環境の情報が重要です．プロンプトには，マイコン・ボード，拡張モジュール，通信方式，実現したい動作を具体的に記述します．

機能を小さな単位に分割し，1つずつ動作確認を行いながら進める点が強調されています．この進め方は，デバッグの複雑化を防ぎ，システム全体の理解を深める助けになります．生成AIは作業を補助する手段として位置付けられています．

〈著：ZEPマガジン〉

動画を見る，または記事を読む

チャプタ・リスト

  • 0:00オープニング
  • 0:38シリーズ全体の構成
  • 1:07第2回の目次
  • 2:17拡張インターフェースの概要
  • 4:20シリアル通信規格の基礎
  • 4:37 UARTとは
  • 5:05 I2Cとは
  • 5:33 SPIとは
  • 6:04システムの全体像
  • 7:40生成AIのプロンプトの考え方
  • 9:08開発ステップ
  • 10:02実際の開発
  • 12:57加速度センサの追加
  • 15:06ディスプレイの追加
  • 16:38 SDカードの追加
  • 19:40まとめ
  • 20:37次回予告
  • 21:01 DigiKeyお知らせイチケン特別版：センサページ

著者紹介

  • engeer/エンジャー
    エレクトロニクス関連の知識をわかりやすく解説する技術者．EMC・ノイズ対策を中心に，電気・電子回路，電子部品，計測器など幅広い分野を取り扱う．YouTubeチャネル「エンジャー/Engeer」は登録者3万人超．ブログ「EMC村の民」は月間10万PV達成済み．トランジスタ技術，CQハムラジオにも記事を寄稿している．
  • ・YouTube：https://www.youtube.com/c/emc-engeer
  • ・ブログ：https://engineer-climb.com/
  • ・X：https://x.com/emcEngineer

著書

  1. 図解入門よくわかる最新電子部品の基本としくみ，秀和システム．
  2. QucsStudio入門，Kindle出版．
  3. QucsStudio実践入門，Kindle出版．
  4. 電子部品超入門，Kindle出版．
  5. EMC超入門，Kindle出版．
  6. 高周波回路超入門，Kindle出版．

参考文献

  1. ［VOD/KIT/data］8bit PIC/Wi-Fi/Debugger搭載！ミニマムIoTデバイス製作キット，ZEPエンジニアリング株式会社．
  2. ［VOD/KIT/Book］PICマイコンオールイン1日学習キット，ZEPエンジニアリング株式会社．
  3. ［VOD/KIT］ STM32マイコン＆Wi-Fiモジュールで学ぶC/C++プログラミング入門，ZEPエンジニアリング株式会社．
  4. ［VOD/KIT］ STM32マイコン＆Wi-Fiモジュールで学ぶC/C++プログラミング入門，ZEPエンジニアリング株式会社．