JESDトランシーバの評価試験の重要性


計測のためのA-Dコンバータ実装術

JESDトランシーバの評価法

図1 10Gbps以上の高速信号では,-5dBまで損失が増すため信号品質が規格を満たさない可能性がある.画像クリックで動画を見る.または記事を読む.[著]藤森 弘己
詳細[VOD]高速&エラーレス!5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点

JESDトランシーバの評価は,実際にでき上がった回路の品質を確認するために不可欠な工程です.完成したデバイスが規格とおりの性能を満たしているかどうかをテストすることで,信頼性の高いシステム設計が可能になります.

評価試験はFPGAや各種ソフトウェアに組み込まれたサポート機能を用いて実施されることが多いです.これらのツールは試験のためのオプション機能を備えており,ユーザは効率的に評価を行えます.

BERTとアイ・パターン・テストの活用

トランシーバの品質評価では,ビット・エラー・レート(BERT)テストやアイ・パターン・テストがよく利用されます.これらのテストは信号の品質や伝送の安定性を測るために重要な役割を果たします.

コンバータには,ランダム・パターンやランプ波と呼ばれる信号パターンを生成するパターン・ジェネレータが内蔵されているものも多くあります.ランプ波は,カウンターで増減する波形を出力する機能で,さまざまな信号条件をシミュレーションできます.

これらの機能を利用することで,ビット・エラーの発生状況やアイ・パターンの形状を直接確認し,トランシーバの伝送性能を評価できます.

FPGAの開発ツールにおける評価機能

FPGAの開発環境にも,アイ・パターンを観測するための開発ツールが組み込まれています.これらのツールを利用することで,実機での評価を補完し,より詳細な解析が可能です.

以下のような点が評価時に利用されます.

  1. 内蔵パターン・ジェネレータによる信号生成
  2. ビット・エラー・レート(BERT)のモニタリング
  3. アイ・パターンの観測と解析

こうした機能を活用して,JESDトランシーバの品質検証を確実に行うことが重要です.

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著者紹介

  • 1979年 芝浦工業大学 通信工学科卒業
  • 同年 Analog Devices of Japan Inc に入社(後にアナログ・デバイセズ株式会社)同社にてアナログ・モジュール開発,Mixedシグナル・テスタのテスト・モジュール開発、高速リニア・カスタム集積回路の開発サポート,汎用リニア製品マーケティング等を担当.

著書

  1. OPアンプ増幅回路の2つのゲイン,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD]高速&エラーレス!5G×EV時代のプリント基板&回路設計 100の要点,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【差動信号とその周辺回路設計技術】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD]アナログ・デバイセズの電子回路教室【A-D/D-Aコンバータの使い方】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  5. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング株式会社.

参考文献

  1. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング株式会社.
  2. [VOD]高精度アナログ計測回路&基板設計ノウハウ,ZEPエンジニアリング株式会社.
  3. [VOD]Gbps超 高速伝送基板の設計ノウハウ&評価技術,ZEPエンジニアリング株式会社.
  4. [VOD]事例に学ぶ放熱基板パターン設計 成功への要点,ZEPエンジニアリング株式会社.
  5. [VOD/KIT]GPSクロック・ジッタ・クリーナ,ZEPエンジニアリング株式会社.
  6. [Book]電子回路とプリント基板のノイズ解決 即答200,ZEPエンジニアリング株式会社.