新人技術者のためのエレクトロニクス・オンライン塾シリーズ
少人数制の集中講座!ベテランの技術者が現場のノウハウを直伝
[Webinar/data]
やり直しの「マクスウェル方程式」完全理解
電波の本質を数式で読み解く!アンテナ/伝送線路からEMC/量子力学まで
- 開催日:2026年1月29日~3月5日の毎週木曜日にLIVEセミナを開催 / LIVEセミナ翌日より3日間録画受講可
- 講師・著者:田邉 信二
- 企画編集・主催:ZEPエンジニアリング株式会社
お申し込み
下記スケジュール表のボタンをクリックして,必要事項の入力をお願いいたします.
お申込み前にご理解いただきたいこと
- 本セミナは,全6回(各回90分)のコースで,受講料は合計39,600円(税込)です.
- 開催スケジュール:毎週木曜日にLIVEセミナを実施します.
- 録画受講による復習も可能です.お申し込みいただいた方には,各回の録画動画をLIVEセミナ開催後にご案内します(視聴期間:3日間).
- 本セミナでは「Zoomミーティング形式」を使用します.講師による説明終了後,音声での質疑応答や意見交換が可能です.
- 3名以上の団体でのお申込みをご希望の場合は,info@zep.co.jp までお問い合わせください.
- 本セミナを予定どおり開催する場合,開催日の3日~1週間前を目安にお支払い方法をご案内いたします.企業・教育機関の方には,請求書による後払いにも対応しております.事前に見積書が必要な場合は,info@zep.co.jp までお問い合わせください.
- 講義テキストは,LIVEセミナ当日に配布いたします.
| 比較項目 | エレクトロニクス・オンライン塾(本シリーズ) | 1日完結キット付きLIVEセミナ |
|---|---|---|
| 開催形式 | 月1~2回/各90分~180分・オンライン(Zoom) | 1日(約6時間)・オンライン(Webinar)/現地 |
| 受講者数 | 少人数(3~7名程度) | 5名~数百名(テーマにより変動) |
| 学習スタイル |
双方向:質疑・議論で理解を深める 各回のゴールを明確に設定 |
講義中心:体系的に短時間で俯瞰 要点を効率よく整理 |
| 進め方・定着 |
次回までに疑問を整理 反復で長期的に定着(継続学習) |
集中受講で全体像を把握 受講後に各自で復習・演習を計画 |
| 講師 |
現場経験20年以上のベテラン技術者 豊富な設計データ/事例や失敗談を交えて解説 |
専門分野の現役技術者 基礎から最新設計手法まで,実習を交えて解説 |
| 対象者 | 基礎固めをしつつ実務に結びつけたい方 | 短時間で俯瞰し,すぐに活用したい方 |
表1 「新人技術者のためのエレクトロニクス・オンライン塾」シリーズと1日完結セミナの特徴比較
学ぶこと
あらまし
「電磁気学=マクスウェルの方程式」といっても過言ではありません. しかし,従来の電磁気の学習や教科書では,クーロンの法則・静電場から始まり,静磁場,電磁誘導と進む過程で,マクスウェルの方程式にたどり着く頃には多くの学生が脱落してしまい,マクスウェルの方程式自体を扱わない大学も増えています.
本講座では,敢えてマクスウェルの方程式から始め,その物理的意味,数式表記を経て,波動方程式,伝送方程式など,電磁気の本質をじっくりと楽しんでいきます.
細かい数式も出てきますが,物理的イメージを大切にしながら解説していきます.また,各回で具体的な練習問題を一緒に解いていきます.
アジェンダ
第1回 マクスウェルの方程式の基礎と物理的意味
マクスウェルの方程式の生みの親であるジェームス・クラーク・マクスウェルについて説明するとともに,本方程式の概要,応用などについてまず解説します.
マクスウェルの方程式の表記法にはいくつか異なるものがあります.それらの特徴を述べ本方程式を理解するための簡単な数学的基礎を説明します.最後に,マクスウェルの4つの方程式の物理的意味について触れます.
- マクスウェルの方程式の表記
- 数学的基礎
- マクスウェルの方程式の物理的意味
- 練習問題
- Q&A
第2回 マクスウェル方程式のポテンシャル表記と電磁方程式の導出
大元のマクスウェルの方程式は電場と磁場で表記されますが,他に電気スカラ・ポテンシャル,磁気ベクトル・ポテンシャルで表す方法もあり,その後の理論展開においてより便利になります.しかし,特に磁気ベクトル・ポテンシャルは理解に難しい部分もあるため,その物理的意味について説明します.
次にマクスウェルの方程式から波動方程式,ヘルムホルツ方程式,ポワソン方程式などの電磁方程式を導き,「電波」の具体的イメージを持てるよう説明します.
- マクスウェルの方程式のポテンシャル表記
- 電磁方程式(波動方程式,ヘルムホルツ方程式,ポワソン方程式)の導出
- 練習問題
- Q&A
第3回 伝送方程式の導出とインピーダンスの考え方
高周波の信号伝送は電子の移動ではなく,伝送路内の電磁モードで伝わります.回路解析に重要な伝送方程式を導き,信号の伝達,反射,減衰などについて解説します.そのとき重要になる「インピーダンス」の考え方を図を使って分かりやすく説明します.
- 伝送方程式の導出
- インピーダンス
- 練習問題
- Q&A
第4回 電磁エネルギとポインティング・ベクトルの基礎
信号の伝送とはその電磁エネルギの伝播です.電場,磁場のエネルギについて解説し,誘導場,放射場の持つエネルギについても説明します.
特に放射場のエネルギ伝播は無線通信やEMCにおいて重要であり,その基礎となる「ポインティング・ベクトル」について物理イメージを交えて解説します.また,放射場がなぜ距離の2乗でなく1乗で減衰するかを説明し,EMCなどで用いられる「近傍場」と「遠方場」の違いについても解説します.
- 電磁場のエネルギ
- ポインティング・ベクトル
- 練習問題
- Q&A
第5回 電磁波の発生とアンテナの基礎
第4回までで空間や伝送路における電磁波の伝播について解説しました.この回では電磁波の発生について述べます.同時に電波の発生,受信に必要な「アンテナ」の基礎を説明します.電波の共振,減衰などについても併せて説明します.
電波の発生について説明する中で「遅延ベクトル」の概念についてわかりやすく説明します.さらに放射抵抗,アンテナ・ファクタ,指向性についてもやさしく解説します.
- 電磁波の発生
- 遅延ベクトル
- 練習問題
- Q&A
第6回 マクスウェル方程式の発展と現代への応用
最終回の第6回では,マクスウェルの方程式がその後の相対論や量子論でも立派に「生き残り」,最先端の技術でも活躍している様子を紹介します.
トピックスとして,宇宙論におけるブラックホールの話,そしてクーロンの法則におけるクーロン力の本質について説明します.これらを通して,あらためてマクスウェルの方程式の偉大さを実感していただければ幸いです.
- マクスウェルの方程式の発展形とトピックス
- 相対論的電磁気学(トピック:ブラックホール)
- 量子電磁気学(トピック:クーロンの法則)
- 練習問題
- Q&A
受講対象者
- シミュレータを使った回路設計やEMC,電磁気機設計に携わっているが,その物理的解釈,シミュレータの本質や限界に悩んでいる方
- 実機の設計・解析を機械的にこなすことに割り切れないものを感じているエンジニア
- 電磁気の原理やマクスウェル方程式をあらたためて体系的に学びたい方
予備知識
マクスウェルの方程式に関しては,理解できていない人が大多数であり,いまは分からなくても気にしないでください.講座の中で数式を丁寧に説明しますので簡単なベクトル解析,複素数,微積分ができれば十分です.
講義の目標
- 電磁現象に対する物理イメージを描けるようになる
- 数式を見ても恐怖心なく,意味を理解できるようになる
- 実際の応用問題の解法が自然に思いつくようになる
- 電磁場,回路シミュレータの扱い方,結果の見方を理解する
- 電磁気に対する抵抗感を払拭する
受講者が用意するもの
特になし
講師紹介
略歴
- 1980年 東北大学理学部物理学科卒業.同年 三菱電機株式会社入社
- 1982年~1983年 東北大学電気通信研究所 研究生
- 1989年~1990年 ミネソタ大学 客員研究員.
- 2001年 三菱電機先端技術総合研究所 グループリーダ
- 2004年 同 主幹技士長
- 2010年 三菱電機本社人事部人材開発センター 教室長
- 2020年 同社 退職
- 2017年~2021年 大阪工業大学 非常勤講師
- 2021年~現在 森ノ宮医療大学 補助教員
- IEEE Life Senior Member,電子情報通信学会会員,日本磁気学会会員.
- 専門:磁性薄膜,電磁場解析,EMC,高周波通信H/W(工学博士)
主な著書
- 『アルテ21 電磁気』共著,オーム社.
- 『EMC技術特論』共著,科学情報出版.
講演の参考文献・参考URL
- 砂川 重信『理論電磁気学(第3版)』紀伊國屋書店(1998)
電磁気学の基礎を体系的に解説した良書. - R. Feynman et al., “The Feynman Lectures on Physics, Volume II”, Addison-Wesley, Basic Books (1963)
説明・発想にファインマンらしいユニークな解説があり,「入門書」というよりは一通り電磁気を理解した人向けの書. - S. Ramo et al., “Fields and Waves in Communication Electronics (Third Edition)”, John Wiley and Sons (1993)
伝送線路解析ではバイブル的な名著であり,練習問題の解説も丁寧.