秋葉原コンベンションホール Techセミナ(11月28日)

マクスウェル方程式から始める
実用プリント基板設計 超入門

プロへの登竜門!電気信号と電磁波のふるまいを理解しよう



【Tech 1】
絵解きマクスウェル方程式!今さら聞けないノイズ発生のメカニズム

なぜ配線から電波が放射されるの? なぜ信号が速くなると伝わらないの?

講演内容

答えは「マクスウェルの方程式」にある

電気信号を伝えるプリント基板から、なぜ、放射ノイズ(電波)が発生するのでしょうか?

ディジタル回路は電波を出すための回路ではありません.ところが,プリント基板で動かすと,信号は配線の中を伝わっているはずなのに,なぜか空中にノイズが放射されます.放射されたノイズは,周辺の電子回路やシステムのパフォーマンスに悪影響を及ぼします.

配線を伝わる信号が電波に変身するメカニズムを紐解くためには,電気系技術者なら誰しも聞いたことがある「マクスウェル方程式」の理解が欠かせません.この方程式は,電気理論の基本中の基本ですが,電気系エンジニアの鬼門になっています.

そこで本講演では,「マクスウェル方程式」を高気圧と低気圧に例えてわかりやすく解説します.また,伝送線路のインピーダンスを測定するTDR(Time Domain Refrectmetry)の正しい測定法と,高周波回路やデバイスをSパラメータで表してシミュレーションに組み込む方法も説明します.

受講対象

  • Gbpsオーダのディジタル回路の設計者
  • Gbpsオーダのディジタル回路のプリント基板の設計者
  • スマ-トフォン,タブレットPCなどのディジタル回路と無線装置が混載する電子機器の設計者
  • 車載用電子機器の設計者
  • 放射ノイズ対策を基礎から理解したい技術者
  • $S$パラメータやTDRの原理を具体的に理解して業務に役立てたい技術者

講師紹介

略歴

  • 1994年 東京農工大 電気電子工学科卒
  • 1994年 日本航空電子工業株式会社入社.プリント基板設計,シグナル・インティグリティのシミュレーション業務に従事後,USB-IF,PCI-SIG,VESAなどでコネクタの高速伝送規格化活動に携わりながら,ノイズ対策業務を行っている.iNARTE認定EMCエンジニア,EMCマスタ・デザイン・エンジニア

主な著書

  1. [Book/PDF]デシベルから始めるプリント基板EMC 即答200,ZEPエンジニアリング.
  2. USB Type-Cのすべて,CQ出版社.
  3. USB3.2のすべて,CQ出版社
  4. 8K映像/USB3.1対応!ケーブル&コネクタ 10Gbps伝送技術,CQ出版社
  5. 電子回路シミュレータLTspice設計事例大全,CQ出版社

【Tech 2】
10Gbps時代を乗切る!ハイパフォーマンス差動線路の設計

正しく電磁界をイメージして,正しくモデリング&シミュレーション

講演内容

「差動線路」が鍵を握る

USB4(最高40Gbps),HDMI2.1(最高48Gbps),PCI Express 6(最高64Gbps)など,汎用ディジタル・インターフェースの伝送速度は,50Gbpsを超えてきました.また,28GHz帯を利用する次世代5G用RFチップのベースバンド・アナログ信号の帯域も6GHzを超えています.

これらの超高速・高周波信号は,同軸ケーブルに代表されるシングルエンド方式の線路では,波形品質を維持し,ノイズ放射を抑えた伝送は不可能です.

この課題を解決する方法は,次のメリットをもつ「差動線路」の採用です.

  1. 外来ノイズに強い
  2. 配線からの放射が小さい
  3. クロストークが発生しにくい
  4. ベタGNDの連続性を維持しなくていい

差動線路の正確なモデリングとシミュレーション技術を解説

数十Gbpsの超高速信号がスムーズに流れるパフォーマンスの高い差動線路を設計するためには,アートワークを始める前に,正しい$S$パラメータ・モデルを使ったシミュレーション検証を繰り返す必要があります.不正確に設計された差動線路間の位相差や電位差は,線路インピーダンスの誤差を生み出し,不整合による定在波を発生させたりします.

本講演では,超高速・超高周波時代に備えて,正確な差動線路モデルを作るためのネットワーク・アナライザを使った測定技法やシミュレーションの方法を実例を示しながら解説します.高性能な「差動線路」は,EMCにおいても大きなアドバンテージが得られることでしょう.

受講対象

  • USB,HDMI,PIC Expressなどのシリアル・インターフェースの回路および基板設計者
  • 次世代通信5G無線機の回路および基板設計者
  • スマ-トフォン,タブレットPCなどのディジタル回路と無線装置が混載する電子機器の設計者

講師紹介

略歴

  • 1990年 無線通信機器メーカで研究開発.その後,計測器メーカでRF測定機器,半導体試験装置の設計開発
  • 2017年 フリーランスエンジニアとして独立,無線通信機器やSDR機器の受託開発
  • 2019年 株式会社ラジアンとして法人化,現在に至る

主な著書

  1. 5G時代の先進ミリ波ディジタル無線実験室【ミリ波の性質と広帯域通信の実験環境】,ZEPエンジニアリング.
    医療,自動車,ゲームから工場,教育まで,さまざまな分野・業界で,無線通信技術にさらなる高速性とリアルタイム性,同時接続性が強く求められています.この要求に応えるのが次世代の超広帯域通信規格“5G”です.
  2. 5G時代の先進ミリ波ディジタル無線実験室【初めての28GHzミリ波伝搬実験】,ZEPエンジニアリング.
    次世代通信5Gには,400MHzもの超広帯域ベースバンド信号を送受信できる自営用の周波数バンド「ローカル5G」が割り当てられています(連載第1回参照).本稿では,ローカル5Gが利用する28GHzミリ波を伝搬する実験の方法を紹介します.
  3. 超長距離無線LoRaからローカル5Gまで!GNU Radio×USRPで作るソフトウェア無線機,ZEPエンジニアリング.
  4. 自宅で設計・開発!USBミクスト・シグナル・アナライザ Analog Discovery Pro 3000 誕生,ZEPエンジニアリング.
  5. 高精度基準搭載&1GSPS広帯域!プロ用USBマルチ測定器 ADP5250誕生,ZEPエンジニアリング.
  6. [VOD/KIT]GPSクロック・ジッタ・クリーナ,ZEPエンジニアリング.
  7. [VOD]Linux搭載USBマルチ測定器 Analog Discovery Proで作る私の実験室,ZEPエンジニアリング.
  8. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【パワエレ・電源・アナログ編】/【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング.
  9. [VOD]Before After!ハイパフォーマンス基板&回路設計 100の基本【IoT・無線・通信編】,ZEPエンジニアリング.
  10. 信号処理プログラミングで操るソフトウェア無線機&計測機 トランジスタ技術SPECIAL No.146,CQ出版社.
  11. 電波解読マシン Piラジオの製作/電波超解像!スペクトラムプロセッサSDR誕生/夢のRFコンピュータ・トランシーバ製作,月刊 トランジスタ技術,CQ出版社.
  12. 実践式!トランジスタ回路の読解き方&組合せ方入門,トランジスタ技術SPECIAL No.139,CQ出版社.
  13. KiCad×LTspiceで始める本格プリント基板設計[DVD付き],トランジスタ技術SPECIAL No.142,CQ出版社.
  14. ベスト・アンサ150!電子回路設計ノウハウ全集,トランジスタ技術SPECIAL No.143,CQ出版社.
  15. 回路図の描き方から始めるプリント基板設計&製作入門,トランジスタ技術SPECIAL No.148,CQ出版社.
  16. プリント基板設計 実用テクニック集,トランジスタ技術SPECIAL No.157,CQ出版社.
  17. はじめての回路の熱設計テクニック,トランジスタ技術SPECIAL No.159,CQ出版社.
  18. アナログ回路入門!サウンド&オーディオ回路集,トランジスタ技術SPECIAL No.160,CQ出版社.

著者が開発したキットやモジュール

  1. [KIT]ミリ波5G対応アップ・ダウン・コンバータ【mz-mmcon1】,ZEPエンジニアリング.
  2. [VOD/KIT]GPSクロック・ジッタ・クリーナ,ZEPエンジニアリング.
  3. [KIT]実験用28GHzミリ波パッチ・アンテナ【mz-mmant1】,ZEPエンジニアリング.
  4. [KIT]実験用800M~6GHz 広帯域90°ハイブリッド【mz-qhybrid】,ZEPエンジニアリング.
  5. [KIT]実験用27.5G-29.5GHzバンド・パス・フィルタ【mz-mmbpf1】,ZEPエンジニアリング.


お問い合わせ

ZEPエンジニアリング株式会社

https://www.zep.co.jp/

177-0041 東京都練馬区石神井町1-23-10 2F(映像編集室)

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